20170531

生産者を訪ねて 〜耕す。木更津農場〜


「せっかく無添加のパンケーキミックスを
作ったんだから、たまごも体に良くて、
美味しいものを。」

それが「耕す。木更津農場」のたまごと
出合うことになったきっかけでした。

有機農法と一口に言ってもさまざま。
また、循環型の農場の取り組みとは?
純国産品種の鶏って、どんな姿?

「これはぜひ一度、行かねば!」と思い、
「飯森苺農園」さんへの訪問と同じ日に
木更津にも伺うことができました。

木更津の市街地から離れ、
舗装されたばかりの道と
山の砂利小道が混在するところを
車で進んでいくと、
すり鉢状の敷地に着きます。

まず目の前に飛び込んできて
びっくりしたのは、
その斜面に広がるソーラーパネル。


壮大なプロジェクトが展開していることを
感じさせてくれます。


にこやかな笑顔で「ようこそ!」と
気さくに出迎えてくださったみなさんも
作業着の出で立ちなのですが
どことなく、おしゃれで素敵!

それもそのはず。

ここを展開する「株式会社 耕す」は
音楽ファンでなくともご存じのはずの
「ap bank」による「明日(あす)ラボ」を通じた
出資によって2010年に設立された農業生産法人
なのです。

音楽プロデューサーとして有名な
小林武史さんが代表を務められていて、
神宮前・代々木・スカイツリーエリアを中心に
レストランやカフェ、バー、フードストアを展開
している「kurkku」も同系列のプロジェクトです。


「耕す。木更津農場」は
施設内のサロンもこんなに素敵です。

まずは「kurkku alternative」代表の
江良慶介さんが、この農場のプロジェクトを
サロンにあった全体模型を前に
お話してくださいました。


持続性のある未来へつなげる「食」、
そして、それを生み出す「農」。

地元の農業生産法人(株式会社千葉農産)
との協働、また「オーガニック・シティ宣言」
をした木更津市とのタッグのうえで
さまざまな企画が構想されています。

もともとは約20年前に閉鎖された牧場跡地
だったというこの場所が、生産者と
都市で生活する人々ををつなぐプロジェクト
「Food Relation Network」の
自主生産活動の拠点なのです。



「次の世代も使い続けられる農地へ」
との考えから、有機農業に取り組み、
有機JAS認証も取得。

既成概念にとらわれない、
循環型の農業にチャレンジされています。


「まずは、鶏たちにやっている
飼料をご紹介しましょう!」
ということで、長靴をお借りし、
鶏飼育を担当されているお二人の
スタッフの後について移動。


テント地が張られた場所には
まさに循環型の取り組みによる
餌の原料がいろいろとありました。


これは、千葉県産の古米。
商品として販売するのは難しくなった
米は、ここでは主要な飼料のひとつ。
この米の影響もあって、
「耕す。」のたまごはレモンイエローの
黄身のものが多いのです。


これは、竹を粉砕したもの。
消化も自然と促されるようです。


これはなんと、鰹節などの出がらし。
カップラーメン製造などに使われる
エキスの出がらしの再利用です。



ほかにも、商品にはならなくなってしまった
プロセスチーズ(鶏の好物だそう!)や
おから、農場内で収穫された野菜の残渣なども
活用し、鶏のためにオリジナルブレンド。
発酵する飼料は、ほんのり温かいものでした。

「与える飼料は、季節によっても変えます。
また、野菜はそのまま与えるものもあるので
たまごの殻や黄身の色も、個々に違う。
できるだけ自然で無理のない飼育を
試みています」と教えてくださいました。



そして、いよいよ鶏舎へ。
ここでは、純国産の鶏2種が飼育されています。

純国産の鶏とは、日本国内において
何世代にもわたり、選抜交配を繰り返し
育種改良が行われた鶏のことで
生産履歴も明らかなのだそう。

現在の日本では、養鶏の約6%ほどと
貴重な鶏のたまごです。

まずは「岡崎おうはん」という
種類の鶏のところへ。


「岡崎おうはん」は家畜改良センター岡崎牧場
(愛知県岡崎市)で開発された品種。
鶏舎内とはいえ、本当に自由に
元気に動き回っていました。


生みたてのたまごがあるな〜と
思ったら、その横で気持ち良さそうに
砂浴びを開始。


細かめにカットした野菜の餌やりも
やらせてもらいましたが、
くちばし先を自然のままに
切っていないので、
大きな野菜もガンガンつついて
食べているそうです。


続いて、お隣の「もみじ」のところへ。


こちらは「岡崎おうはん」よりも
一回り小さく、茶色い羽の鶏。
動きもすばしっこく、
ちょっとやんちゃな感じです。




生みたてのたまごを譲ってもらっていたら
お母さん鶏が「ジロっ!」


「ごめんね、分けてね。」


(なぜか真顔のスタッフG「自称:たまご王子」)

鶏舎見学を終え、生みたてたまごを譲ってもらい、
事務所へもどると、スタッフの方が
とても素敵なランチを用意してくださいました。

農場を見渡すテラスでの
ファーマーズランチの開催です!


メニューは、農場で収穫された
玉ねぎのスライス、人参のピクルス、
味噌汁、そして、炊きたてご飯に
生みたてたまごのTKG!


さらに、お土産にお持ちした
リコッタやモッツァレラまで。
モッツァレラには、この農場の専属シェフによる
バルサミコソースとハーブが添えられて・・・



大歓迎のおもてなしに
スタッフ全員感激のランチとなりました。


ここは観光農園や農業公園ではなく、
今は年に数回のイベントが開催されていたり、
事前に打合せのお約束や予約のある方に
ご案内いただける農場となっていますが、
来年、再来年・・・と、この地では
次々と新たな企画が実現し、
人が集い、つながる場になっていくようです。

また、次の展開を体験しに
ぜひとも訪れたい場所となりました。



◎耕す。木更津農場
http://www.tagayasu.co.jp/action.html


この「耕す。木更津農場」のたまごは、
今や、チーズスタンドにとっては
欠かせないもの。

このブログのはじめにも触れたように
美味しいリコッタパンケーキを
焼くためには、このたまご。
グッと美味しさがアップします。



「& CHEESE STAND」では
4個セット(380円)で販売中です。
※随時入荷していますが、
売切の際はご容赦ください。

◎& CHEESE STAND
〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1-43-7 1F
http://cheese-stand.com/and/
営業時間 11:00〜20:00 土日祝〜18:00

「SHIBUYA CHEESE STAND」では
売切御免!の人気デザート
「のびるチーズケーキ」にも
このたまごを使っています!


◎SHIBUYA CHEESE STAND
〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-8 1F
http://cheese-stand.com/access/

東京メトロ千代田線
代々木公園2番出口より徒歩6分
渋谷駅より徒歩10分
都バス・京王バス「放送センター西口」すぐ

営業時間
11:30〜23:00 (L.O.22:00)
日曜日〜20:00
定休日 月曜日・年末年始
(ただし月曜日が祝日の場合翌平日休み)
TEL 03-6407-9806

20170530

生産者を訪ねて〜飯森苺農園〜


甘く、芳しい香りに満ちた真っ赤な苺。

チーズスタンドでも季節のブッラータやサラダ、
グリークヨーグルトで大人気のこの苺の生産者、
千葉・銚子の飯森苺農園さんを訪ねました。

苺狩りももう終わりという、5月29日。
「シーズン最後に、あの美味しい苺が生まれる
ところを見ておこう!」ということで
チーズスタンドのスタッフ総勢7名で
お邪魔してきました。


飯森苺農園があるのは、千葉県銚子市。
利根川沿いのエリアで、風の強い銚子ならではの
大きな風力発電の風車もたくさん並んでいる所です。
(ビニールハウスの奥にも風車が見えます)

国道356号沿いにあり、道路を挟んだ斜め向かいに
直売所があります。
イチゴ狩りの際には、まずこちらに立ち寄り、
ハウスへと移動します。



ハウスに近づくと、ふわ〜っと甘い香り!
シーズンも終わりだというのに、
それでも、まるでシロップのような
凝縮した苺の甘い香りに包まれていました。

いざ、ハウスの中へ・・・


「もう、来年の準備も始まっているし、
あまり残ってないけど、食べてみて。」
と飯森さん。

スタッフも大喜びで、摘んではパクリ、
摘んではパクリ・・・。
手も口も止まりません(笑)



飯森苺農園さんで主に栽培しているのは
栃木生まれの「とちおとめ」。
甘味が強く、みなさんもおなじみの品種です。

その他に、群馬生まれの「やよいひめ」や
新品種「おいCベリー」というものも。

「やよいひめ」は、「とねほっぺ」に
「とちおとめ」を交配したものを育成し、
それにさらに「とねほっぺ」を掛け合わせて
誕生した品種とのこと。
少しオレンジがかった明るめの赤色で
やさしい味わいのイチゴです。

「おいCベリー」は、ビタミンC含量や
抗酸化作用も高い品種として
農研機構 九州沖縄農業研究センター
というところで開発された苺。
ビタミンCが多いからか、少しオレンジの
ような酸味がありました。

「形が不揃いになりやすいけれど、
早生で促成栽培に適しています」
と飯森さん。


苺も、気候風土に左右される農作物。
飯森苺農園さんは、栽培方法も工夫を凝らして
います。

風の強い銚子では、ビニールハウスも
強固なつくりであることが大事なので、
鉄骨の骨組みで建てられています。


また、地面に土がある従来型の「土耕栽培」と
近年増えている「高設栽培」の
2通りの栽培をされています。

「土耕栽培」では、100%有機質肥料を
使用し、土作りにも創意工夫を
凝らされていますが、陽が葉全面に当たるので
葉や蔓(ランナー)の成長が促され、
実の方に栄養が行きづらくなるという点があります。
また、イチゴ狩りの際には、お客様が
実を踏んでしまったり、うっかり蹴ってしまう
ことも多いそう。


一方、「高設栽培」は、設備コストはかかるけれど、
そのような心配もなく、収穫も効率的に。
風通しも良くなるので、苺にも涼しい風が
あたり、良い効果を生むそうです。


いずれも、完全無農薬とまではいきませんが
出来るだけ農薬に頼らないように、
天然肥料を組み合わせて使ったり、
二酸化炭素を供給したり、
苺の天敵、ハダニ(害虫)を
餌とする別の種類のダニを放つ手法を
取り入れたりと、本当に手間暇をかけて
苺を育てているお話を伺いました。

昨今の温暖化による影響も。


実のもととなる花が一輪咲くには
5枚の展葉が必要なため
そのサイクルを見据えながら
生育し、出荷のピークを合わせることが
必要なのですが、予想外の
暑い日や雨が続くことで
それもどんどんと難しくなる話なども
丁寧に教えてくださいました。

出荷のピーク時期は、
毎日深夜2時に起きて作業を開始し、
6:30の出荷に間に合わせる日々とのこと。

愛情と時間をかけて育てられた
飯森さんの苺。

その甘くてみずみずしい美味しさが
生み出される背景に触れることができ、
チーズスタンドのお客様に
その美味しさを提供できる
幸せを感じることができました。

◎飯森苺農園
http://www.ichigogari.jp/index.html
千葉県銚子市忍町1622
TEL. 0479-33-2345

今年はあとわずかの期間ですが、
SHIBUYA CHEESE STANDの
飯森さんの苺が味わえるメニュー
2種を提供しています。


「苺のブッラータ」(1980円)。
ピスタチオとミントの香りを添えて。
平日は昼もメニューオンしています。


「モッツァレラと苺とルッコラのサラダ」
(850円)。ディナータイム限定。

モッツァレラと、甘み豊かな飯森苺農園の苺、
力強い秋庭農園のルッコラが楽しめるサラダ。
バルサミコの風味、生ハム、さらにカカオニブの
食感も楽しめます。

濃厚な香りの苺とフレッシュチーズ。
どうぞ、今シーズン、食べ逃しのなきよう!

◎SHIBUYA CHEESE STAND
〒150-0047 東京都渋谷区神山町5-8 1F
http://cheese-stand.com/access/

東京メトロ千代田線
代々木公園2番出口より徒歩6分
渋谷駅より徒歩10分
都バス・京王バス「放送センター西口」すぐ

営業時間
11:30〜23:00 (L.O.22:00)
日曜日〜20:00
定休日 月曜日・年末年始
(ただし月曜日が祝日の場合翌平日休み)
TEL 03-6407-9806